税務上の「資本金等」には、法人税法上の資本金等と、地方税法上の資本金等があります。両者は異なる場合があります。
1. 法人税法における「資本金等」
法人税法における「資本金等の額」とは、法人が株主等から出資を受けた金額であり、
資本金 + 加算項目 - 減算項目
によって計算されます。
詳細は法人税法(第2条)と法人税法施行令(第8条)に規定されています。
法人税法上の「資本金等の額」は、貸借対照表上の「資本金+資本剰余金」に単純に一致しない場合も多く有り得ます。
「資本金等の額」に含まれる項目、含まれない項目の例として以下があります。
資本金等の額に含まれるものの例:
(1) 資本金
(2) 株式払込剰余金
(3) 過去に資本金の額を減少した金額
資本金等の額に含まれないものの例:
(4) 利益準備金または利益剰余金から資本金に組み入れた金額
(5) 過去に資本の払戻しを行った場合の減資資本金額
(6) 自己株式の取得資本金額 (みなし配当分は除く※)
(3)のとおり無償減資を行っても、法人税法上の「資本金等の額」は変わりません。
(5)のとおり有償減資を行った場合は、「資本金等の額」は減少します。
(6)自己株式の取得を行うことによっても、「資本金等の額」は減少します( ※但しみなし配当分は利益積立金額の減少となり、「資本金等の額」からは控除されません)。
2. 地方税法上の「資本金等」
地方税法上における「資本金等」の額は、
法人税法上の資本金等 + 加算項目 - 減算項目
によって計算されます。
詳細は地方税法(第23条)に規定されています。
地方税法の資本金等は、住民税の均等割の課税標準となり納税額に影響しますので、過去に無償増資や無償減資による欠損填補等を行った会社は、注意して計算をする必要があります。
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(関連条文等:法人税法第2条第16号、法人税法施行令第8条、地方税法第23条1項4号の5)
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