新オフィスの先、新しい世界へ

(旧ブログから、2019年12月の転載記事です)

17日から、新オフィスでの業務がはじまりました。
私1人の時代を除くと、3度目のオフィス移転です。

最初のオフィスは初めて社員を採用するにあたり、新しく入ってくれる人とどんな配置で働くのが良いだろうかと、出張先の夜のバンコクの空港で1人、図面の案を書きました。
2つめのオフィスには、事務所運営を根本から変えなくてはと悟って、急いで移転をしました。幸いお客様も増え、人も順調に育ち、事務所も成長することができました。

3つめの今回は、これまで培ってきたことを基礎に、事務所の成長スピードをより加速するための移転です。
私たち会計事務所も一般企業と同様、厳しい環境の中で成長していかなくてはなりません。そのためを思って作った今回のオフィスです。

引越しにあたって書類を整理していると、15年も前の、建築家の安藤忠雄さんの新聞記事が出てきました。ご自身のオフィスについて書かれた2004年の記事です。
安藤忠雄さんは拠点大阪の自ら設計した5階建てのビルで、最上階まで吹き抜けの、一番下の玄関前で仕事をされています。夏は暑く冬は寒く、来客や電話の喧騒に囲まれた位置だそうです。

「小規模な設計事務所は文字通りのベンチャーだから、トップである私自身が走り続けないと、倒れてしまう。私の仕事スペースの位置は、我々が常にベンチャーであろうとする意思表示でもある。」
そう書かれてあるのを見て、自分もこれまでこういう言葉に感化されて仕事をしてきたし、これからもそうであろうと思いました。

「本社ビルを建てたとたんに衰退する企業は多いから、質素な本社にこだわる優良企業も多い。常に張りつめた気持ちで仕事に立ち向かいたい。トップは居心地の良さを求めてはならない。」とも書かれていて、背すじが伸びる思いがしました。

オフィスが昔に比べて立派になっていくと、事務所の成長を支えてきたベンチャースピリットが薄まってしまうのではないか、という危惧もあります。
今のオフィスで働いている人たちには、創業期の頃のことは想像もつかないでしょう。

でも組織はそうやって成長していくのだと思います。
これから成長を担っていく若い人たちは、今の世代と異なる力で、これまで以上の発展を達成してくれるはずです。

経営学者ドラッカーは著書「経営者の役割」の中で、「次の世代は、現在の世代が刻苦と献身によって達成したものを当然のこととし、さらにその次の世代にとって当然となるべき新しい記録をつくっていかなければならない」と書いています。

私たちもその言葉を掲げて、この先に新しい記録と新しい世界があると信じて、進んでいきたいと思います。